フェイスブックも音声を聞いていた=文字起こしを外部に委託
フェイスブックも録音したユーザーの音声を外部の請負業者に聞かせていたことが分かった。
ブルームバーグは、メッセンジャー・アプリでユーザーが作成した音声データを、フェイスブックが外部の業者に委託して文字起こしさせていたと報じた。音声データがどこで録音されたのか、どのように取得されたのかは明らかにされていないが、中には極めて個人的な内容の会話も含まれているという。フェイスブックによると、請負業者は、フェイスブックの人工知能(AI)ソフトウェアがメッセージを正しく解釈できているか確認するために解析しており、音声データからユーザーは特定できないという。同社の広報担当者は、録音した音声を請負業者に聞かせるプログラムはすでに1週間以上前に一時停止したとブルームバーグに回答している。
似たような話は2019年に入って5回目だ。4月にはアマゾン、7月にはグーグルとアップル、8月にはマイクロソフトで同様の取り組みが発覚している。いずれの場合も、音声データを請負業者に聞かせていることをユーザーに通知していなかった。こうしたプログラムの大部分は、その後の調査のために一時中止されている。
フェイスブックは今回の影響範囲は、メッセンジャー・アプリでボイスチャットを文字起こしするサービスを選択したユーザーだけだと発表した。このサービスは2015年に始まっている。だが、文字起こしのプロセスに人間が関与していることはこれまで明らかにされていなかった。
録音した音声の内容を人間が確認する作業が広く実施されている事実は、AIの能力が日々向上しているにも関わらず、言葉と意味を認識する能力にまだ限界があることを示している。そして多くのAIサービスの裏側で、いまだ多くの低賃金データ労働者たちがあくせく働いている現実を改めて浮き彫りにするものだ。