KADOKAWA Technology Review
×

ニューズラインエマージング・テクノロジーの最新情報をお届け。

フェイスブックの暗号通貨がまもなく発表、ビザなど支援へ
AP
Facebook is expected to unveil its secretive cryptocurrency next week

フェイスブックの暗号通貨がまもなく発表、ビザなど支援へ

フェイスブックは、独自の新しいデジタル通貨に関するホワイトペーパーを6月17日の週にもリリースするようだ。ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)が報じた。決済サービス企業大手やその他のデジタル企業は、ソーシャルメディア最大手の暗号通貨事業への初進出をこぞって支援している。

フェイスブックの新たな暗号通貨を管理するコンソーシアムのメンバーにはペイパル(Paypal)やウーバー(Uber)、ビザ(Visa)、マスターカードといった企業が名を連ねている。 WSJによると、各企業はこのプロジェクトに1000万ドルを投資し、暗号通貨の管理を支援するコンソーシアムを立ち上げるとのことだ。テッククランチ(TechCrunch)の記事では、発表は6月18日が予定されているが、暗号通貨の発行は来年になる見込みだとしている。

フェイスブックの暗号通貨についてこれまでに分かっていることはほとんど無いが、価格を米ドル等の法定通貨の価格に固定させた「ステーブルコイン(安定通貨)」であると予想されている。ユーザーは「リブラ(Libra)」という名の通貨を使用し、フェイスブック上だけではなく、インターネット上で商品を購入できると考えられている。

だが、フェイスブックが発行するデジタル通貨は、果たして暗号通貨なのだろうか?暗号通貨の支持者にとって大きな問題だ。同社のデジタル通貨が暗号技術を用いるとしても、真の非中央集権にはなりそうもない。ビットコインのような本物の暗号通貨というよりも、むしろペイパルのようなものに近いかもしれないというのが大多数の考えだ。その他の疑問として、この暗号通貨をフェイスブックがどこまで管理するつもりなのかということがある。フェイスブックが過去にしてきたゾッとするようなことを考えると、ユーザーのプライバシーをどこまで守るつもりなのか疑問が残る。

ニアル・ファース [Niall Firth] 2019.06.16, 8:44
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューは有料会員制サイトです
有料会員になると、毎月150本以上更新されるオリジナル記事が読み放題!
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る