フェイスブックに50億ドルの制裁金、過去最高額も株価は上昇
7月12日、フェイスブックに膨大な制裁金が科されることが報道された後、同社の株価は2%近く急上昇した。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙およびワシントン・ポスト紙は、米国連邦取引委員会(FTC)がフェイスブックに50億ドルの制裁金を科す予定だと伝えた。FTCの5人の委員のうち、共和党の3人がこの和解案に賛成し、民主党の2人が反対したという。今回の制裁金は、これまでのFTCによる制裁金で最高額となる。だが、このニュースが報道されると週末のウォール街の取引の終了間際に、フェイスブックの株価は2%近く上昇した。これによって、制裁金の2倍以上の額であるおよそ100億ドルがフェイスブックの時価総額にプラスされることなった。
今回の和解案は、フェイスブックがデータを収集して共有する方法については一切異議を唱えていない。したがって、フェイスブックが広告から得る、極めて収益性の高いビジネスモデルには影響を与えない。
FTCがフェイスブックに求めている和解案は、金銭的なものだけではない。ワシントン・ポスト紙は、フェイスブックが今後、新サービスを提供する前にデータの扱い方を文書化し、サードパーティ製アプリがユーザー情報をどのように活用するか注意深く監視する必要があると伝えている。こうした取り組みはすでに当然だと思うかもしれないが、そうでもなかったようだ。そして、恐らくそれこそが、今回のFTCによる和解案が、多くの政治家や業界観測筋から評判がとても悪い理由の1つなのだろう。
次のステップは米司法省の承認だ。 FTCはすでに司法省に和解案を提出し、承認を求めている。