住宅広告のターゲティングは差別、米当局がフェイスブックを提訴
米国住宅都市開発省(HUD)は、フェイスブックが住宅広告のターゲティングを許容し、法令に違反していると発表した。
HUDの主張によると、フェイスブックは広告プラットホームを通じて差別を「助長、許容、誘発」しており、公正住宅法に違反しているという。HUDは、フェイスブックが広告主に対して広告を掲載したくない特定の層に線引きすることを許容していたと主張している。さらに広告主は、「ヒジャブ・ファッション(イスラム教徒の女性が身体を覆う布のファッション)」や「ヒスパニック文化」といった特定の興味を持つユーザーに広告を表示しないという選択ができるようにもなっていた。フェイスブック側はHUDの下した結論に「驚いている」と述べている。
HUDによると、フェイスブックはユーザーのデータを抽出し、人種、肌の色、宗教、性別といった「保護特性」に基づいて、誰がどの広告を見るのかを決定するのに利用している。HUDはこうした振る舞いが、「保護特性の種類に基づいてユーザーを意図的にターゲティングまたは除外する広告主と同様」だと指摘している。
フェイスブックは米国自由人権協会(ACLU)など3団体との間でまったく同様の訴訟を抱え、先週、和解に至ったばかりだった。住宅、求人、融資関連広告の地域、年齢、人種、性別によるターゲティングの中止を約束している。
フェイスブックがシステムを変更するために約束した期限には余裕がある。今回問題になっている行為は現時点で違法であるにもかかわらず、フェイスブックは今年末までには変更するとしている。このタイムラグ、そして現時点で違法であるという事実により、今回のHUDと同様の訴訟が今後も続くことは確実だ。
フェイスブックは2016年以来、この問題を抱えてきた。法的措置によってフェイスブックの対応が早まる可能性がある。