蔓延するヘイト投稿、フェイスブックがミャンマーでの現状認める
フェイスブックに委託された第三者による評価によると、フェイスブックはミャンマーにおける暴力の扇動を防ぐためにさらなる努力が必要だと分かった。
ミャンマーでは2013年ごろから、フェイスブックがオンラインによるコミュニケーションの主な手段となっている。その後まもなく、フェイスブックは仏教徒とロヒンギャのイスラム教徒たちの間で起こっている暴力行為を煽動するもっとも安易な手段にもなっていった。ところがフェイスブックはミャンマーでのヘイト発言を長らく無視し続けており、蔓延を防ぐのは容易ではない状況だった。
11月5日、フェイスブックは非営利団体 「社会的責任のためのビジネス(BSR:Business for Social Responsibility)」による「ミャンマーにおけるヘイトスピーチにフェイスブックが果たした役割」とする報告書を公表した。フェイスブックは自社ブログに「我々にはもっと多くのことができるし、そうすべきだと同意します」と投稿している。
報告書の公表は結構なことだが、フェイスブックはこの問題について具体的に何をしようとしているのだろうか? BSRはフェイスブックに以下のことを進言している。
- ミャンマーのコミュニティ水準をより高める努力
- 現地組織との交流
基本的人権の侵害を評価するため、これまで発生したことのデータの共有 - (暴力の扇動に)敏感に反応する人工知能(AI)の開発
ミャンマーで今後さらなる暴力行為の誘因となるような問題について今すぐ(対応)計画を開始
報告書はミャンマーの2020年の選挙で基本的人権に関するリスクが増大するとの見通しを指摘しており、フェイスブックは万一に備えて対応策を準備する必要があるとしている。
フェイスブックは現在大まかにいくつかの対応策に取り組んでいると述べている。しかし、あまりにも手遅れかもしれない。以前の記事に書いたとおり、AIの活用は聞こえの良い解決策に思えるものの、フェイスブックの計画には問題があるのだ。