ネコ育成ゲームが流行りすぎて暗号通貨イーサリアムの取引が停滞
先週サービスが開始されたばかりだが、育成して売買できるデジタルの猫を集めるゲーム「クリプトキティズ(CryptoKitties)」が既にすごい人気だ。どのくらい人気があるのかというと、暗号通貨プラットフォーム「イーサリアム(Ethereum)」の全取引の12%を占めるくらいだ。クリプトキティズの突然の出現によってネットワークに負担がかかり、未処理の取引がどんどん溜まってきている。
デジタル猫を集めるためには、イーサ(Ether)と呼ばれるイーサリアムの暗号通貨が必要だ。最も高価な猫はどういうわけか11万4000ドル以上に高騰しているが、ブロックチェーン内の中央値の価格のデジタル猫は、イーサで現在11.44ドル相当である。2匹買ってイーサを追加で支払えば、その猫たちの子猫を持つこともできる。「育てることができる動物のぬいぐるみだと思ってください」とゲームのWebサイトは説明している。
確かにかわいい。しかし、クリプトキティズによってイーサリアムのネットワークは混雑し、ブロックチェーンの開発者たちは非常に重要な課題に直面している。ブロックチェーンで実行するアプリケーションの速度は、インターネット・アプリケーションで期待される速度に比べて非常に遅いのだ。イーサリアムが「世界のコンピューター」としての期待を裏切らないためには、開発者たちは取引が増えても速度が落ちないようにするために、多くの困難な課題を解決する必要がある。
それでも、暗号通貨専門のシンクタンクであるコイン・センター(Coin Center)のピーター・ヴァン・ヴァルケンバーグ調査部長は、このデジタル猫が引き起こした取引の滞りには良い面もあるとツイッターに書いている。「攻撃や政略的なスパムで取引が滞るのではなく、実際の小売レベルの利用で停頓するのであれば嬉しいことです。私のデジタル猫が子猫を持つのにはしばらく時間がかかるでしょうが、その価値はあります」。