北朝鮮の暗号通貨会議に国連が警告、出席は制裁違反の恐れ
国連の対北朝鮮制裁専門家が提出する報告書で、2月に北朝鮮で開催される暗号通貨カンファレンスに参加しないよう警告している。制裁に違反する可能性があるためだ。
ロイターによると、1月下旬に国連の安全保障理事会に提出される予定の機密報告書では、以前開かれた北朝鮮の暗号通貨カンファレンスで、「制裁回避とマネーロンダリングのための暗号通貨について明らかに議論されていた」と警告している。2回目のカンファレンスは、2月22日から29日に平壌で開催される予定だ。
北朝鮮は、核兵器開発を抑制する目的で国連が加盟国に課している厳しい経済制裁に直面している。 その回避策として金正恩政権が依存を高めているのが、サイバー犯罪だ。前出の国連の対北朝鮮制裁専門家は8月、北朝鮮が「広範囲におよび、さらに高度な」サイバー攻撃を駆使して、暗号通貨取引所や銀行から金銭を盗み、兵器開発計画の資金に充てていたと述べている。 ロイターによると、今回の国連の報告書では、こうした活動が北朝鮮のミサイル計画に貢献したり、制裁回避にあたると考えられる場合、各国は「金融取引、技術訓練、助言、サービス、支援」などの提供を阻止しなければならないとしている。
北朝鮮の暗号通貨カンファレンスは昨年4月に初めて開催された。匿名の出席者が暗号通貨関連メディア「デクリプト(Decrypt)」に語ったところによると、政府関係者、中央銀行関係者、経済学教授などを含むカンファレンスの出席者は、ビットコインやイーサリアムなどの暗号通貨システムを利用した外国への送金や契約の履行方法を知りたがっていたという。
昨年11月にはイーサリアムの開発者の1人であるバージル・グリフィスが、カンファレンスに出席するため平壌に不正に渡航し、北朝鮮の出席者に「サービス」を提供したとして、米国の制裁法違反の容疑で逮捕されている。 グリフィス容疑者は1月になって連邦裁判所に起訴されており、 有罪が確定すれば20年以下の禁固刑を科される可能性がある。