NASA長官がインドの衛星撃墜実験を非難、デブリ問題が深刻化
人工衛星を破壊した爆発によって発生した400片の宇宙ゴミ(デブリ)は、国際宇宙ステーション(ISS)上の宇宙飛行士たちの安全を脅かす——。米航空宇宙局(NASA)のジム・ブリデンスタイン長官が語った。
先週、インドのナレンドラ・モディ首相は、自国の人工衛星の1つを撃墜し、ロシア、中国、米国を含む4つの「宇宙大国」の仲間入りをしたと発表した。どうやら、今月実施される総選挙に向けてインドの強さを見せつけるつもりのようだ。
残念ながらインドは、人工衛星を破壊したことで、増加する宇宙ゴミの問題をさらに深刻にした。ニューヨーク・タイムズ紙が報じたところによると、400片のデブリには最低10センチ大の追跡可能な60片が含まれている、とブリデンスタイン長官が明らかにしたという。また、宇宙飛行士らも危険にさらされているとブリデンスタイン長官は語った。人工衛星そのものは比較的低い高度(300キロメートル)で破壊されたが、宇宙ゴミのうち24片は国際宇宙ステーションを超える高さまで到達したからだ。国際宇宙ステーションは、高度408キロメートルの軌道を周回している。
「国際宇宙ステーションを超える遠地点にまでデブリを到達させるような爆発を起こすとは本当に恐ろしいことです」とブリデンスタイン長官は4月1日に記録されたNASA職員との会合で語った。 「そのような活動は、有人宇宙飛行の未来にとって望ましいものではありません。けっして許されるものではなく、私たちにいかなる影響を及ぼすかを、NASAは極めて明確にする必要があります」。