KADOKAWA Technology Review
×

ニューズラインエマージング・テクノロジーの最新情報をお届け。

暗号通貨は「通貨」ではなく「資産」、英中央銀総裁が語る
Philip Veater on Unsplash
Cryptocurrency is terrible as money but “crypto-assets” are for real, says Bank of England’s chief

暗号通貨は「通貨」ではなく「資産」、英中央銀総裁が語る

イングランド銀行(英中央銀行)のマーク・カーニー総裁は、暗号通貨は金銭としては深刻な欠陥があるが、「暗号資産」についてはあまり厳しく取り締まらないよう政策立案者は注意すべきだ、と3月2日の講演で主張した。

カーニー総裁はビットコインや同様の暗号通貨を激しく非難した。こうした暗号通貨は、価値を保存するには貧弱であり、交換手段としては非効率であるとして、法定通貨に取って代わる見通しは「ほとんどない」と語った。

暗号通貨は「真の通貨」ではなく、「暗号資産」と考えるべきだとカーニー総裁は述べた。さらに、たとえば「より革新的で効率的、かつ信頼性の高い決済システム」の一部として、将来は価値あるアプリケーションになり得ると付け加えた。そして、金融システムの大規模な改善に実際につながる可能性のあるイノベーションを阻害しないよう、過度な規制や完全な禁止をしないように釘を刺した。

最後にカーニー総裁は、イングランド銀行自身がデジタル通貨を発行する可能性について「オープン・マインド」を持ち続けると語った。しかし、そのときにも「デジタル通貨ありきで使い道を探したり、流行に乗り遅れまいとするような子どもじみた取り組みを中央銀行がしたりすべきではない」とした。

マイク オルカット [Mike Orcutt] 2018.03.04, 9:55
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューは有料会員制サイトです
有料会員になると、毎月150本以上更新されるオリジナル記事が読み放題!
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る