がんやウイルスを正確に検出、CRISPRは医療検査にも有望
遺伝子を編集したり削除したりする手法であるクリスパー(CRISPR)は聞いたことがあるはずだ。 2人の著名な生物学者によると、CRISPRはがんやウイルスの検出にも使用できるという。
カリフォルニア大学バークレー校のジェニファー・ダウドナ教授のチームが、CRISPRに基づいた検査により、人間の細胞の中のがんを引き起こすヒトパピローマウイルス株からDNAを正確に検出した。一方、 ブロード研究所のフェン・チャン博士の研究室では、CRISPRを使用して、肺がん患者の血液サンプル中の腫瘍DNA、ジカ熱とデング熱のウイルスを発見した。
検出の仕組みはこうだ。研究者は、CRISPRにシグナル伝達分子を結合させた。CRISPRのシステムが探しているDNAを見つけたら、その周囲の遺伝物質を切断して、シグナル伝達分子を放出し、異質なDNAを発見したことを示す。
こうしたCRISPRに基づいた検査は、さまざまなことに利用できる可能性がある。病気が集団発生したときに人々を検査したり、薬剤耐性を示したりがんを引き起こしたりする突然変異を患者から発見したりできるだろう。