中国が暗号通貨の採掘禁止を検討、ビットコインへの影響は?
中国は、暗号通貨の採掘を禁止する方針を発表した。この動きは、グローバル産業の大規模な再編を引き起こし、暗号通貨産業における中国の優位性に終止符を打つだろう。
中国の最高経済計画機関である中国国家発展改革委員会 (NDRC)は4月8日、産業活動を奨励、制限、排除のカテゴリーに分類した最新のリストを発表した。サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)によれば、暗号通貨の採掘(マイニング)が、直ちに排除されるべき産業に含まれているという。暗号通貨の採掘は、ほとんどの公開型ブロックチェーン・ネットワークが新しいトランザクションを記録するために使うリソース集約的なプロセスである。中国政府は、採掘を汚染とエネルギー浪費の元凶と見なしているようだ。
世界でもっとも人気のある暗号通貨、ビットコインの採掘ネットワークのおよそ半分は、おそらく中国国内、特に雨季の水力発電で電気代が安い地域に存在している。中国の企業の中でも特にビットメイン(Bitmain)は、世界最大級のビットコイン採掘専用ハードウェア製造業者だ。中国で暗号通貨の採掘が禁止されれば、採掘者(マイナー)らは新たに安価な電力の供給源を見つける必要があり、ビットコイン採掘にかかる平均コストが上昇する可能性がある。
とはいえ、ビットコインの熱狂的な支持者にとって、今回の中国の決定は悪いことばかりではないかもしれない。中国の採掘における優位性は中央集中的な影響をもたらしており、ビットコイン批評家らは、採掘事業に対する政府の取り締まりは、非常に破壊的なものになるだろうと長らく指摘してきた。北京を拠点とするトークンインサイト(TokenInsight)のアナリストであるマイケル・ゾンはSCMPに対し、この禁止令により、ビットコインの採掘は「より非中央集権化」を強いることになるだろうと述べている。
今回の動きは、中国政府が暗号通貨業界への支配力を強めるためにとっている、一連の措置の1つに過ぎないとの見方もある。ブロックチェーン投資会社ケネティック(Kenetic)のジーハン・チュー 業務執行社員はロイター通信に対し、「中国政府は、単にインターネットに対してとったアプローチと同じ方法で暗号通貨業界を監視したいと考えているだけだ」と述べている。