ファーウェイCFOがカナダで逮捕、高まる米同盟国への圧力
カナダ当局は米国の要請により、中国のテック企業大手ファーウェイ(華為)の最高財務責任者(CFO)を、イランに対する制裁措置違反の容疑で逮捕した。
逮捕の詳細については明らかにされていないが、米国はバンクーバーにいる孟晩舟(メン・ワンツォウ)CFOの身柄引き渡しをカナダ政府に申し入れており、7日に保釈聴聞会が開かれる予定だ。孟CFOは、ファーウェイの創業者である任正非(レン・ツェンフェイ)最高経営責任者(CEO)の娘でもある。米国は長年にわたって、ファーウェイが対イラン制裁の違反に関与しているとの疑念を抱いており、今年4月、ファーウェイの犯罪捜査に踏み切った。ファーウェイは、あらゆる疑惑について否定している。
今回の逮捕に対して、中国は反発している。ガーディアン紙によると、中国外務省の報道官はカナダに対し「孟CFOを一刻も早く釈放」するように要求したとのことだ。
今回の逮捕は、米国政府がエスカレートさせている反ファーウェイ・キャンペーンや、米中間で広がる貿易摩擦にとっては異例の展開となる。米国は一連の対応によって米国内でのファーウェイの活動を抑制しようとしており、先月、同盟国に対し米国と同様の措置を取るように求めた。米国の要求は、ある程度功を奏したかのように見える。ニュージーランドやオーストラリアに続き、英国の通信大手BTも今週、5Gコア・ネットワークにファーウェイ製品を使用しない方針を明らかにした。皮肉にも、カナダは現時点で米国の要求に従っていない。