FBデータ流出問題のケンブリッジ・アナリティカ、廃業へ
あのデータブローカーが閉鎖する。フェイスブックのデータ流出スキャンダルによって事業継続が困難になったのが理由だ。
ケンブリッジ・アナリティカ(Cambridge Analytica)は5月2日、あまり表には出てこなかった親会社のSCLエレクションズ(SCL Elections)とともに、すべての業務を終了し、英国で破産手続きに入ると明かした。両社は同じく米国でも破産手続きに入る。
フェイスブックは3月、データ利用規約に違反したとして、ケンブリッジ・アナリティカによるプラットフォームの利用を停止した。規約違反の大半は、アレクサンドル・コーガンという社外研究員によるものだ。コーガンは「マイ・デジタル・ライフ(My Digital Life)」というアプリを開発し、これがおよそ8700万人のフェイスブック・ユーザーの情報収集に利用された。そして、このデータがケンブリッジ・アナリティカに流れた。
ケンブリッジ・アナリティカはフェイスブックから追放されるとアレクサンダー・ニックスCEO(最高経営責任者)の執行を停止させ、データ不正利用疑惑に関して独自調査を実施することを明らかにした。それ以後、ケンブリッジ・アナリティカとフェイスブックの両社は米国および英国で政府による調査の対象となっている。
ケンブリッジ・アナリティカによると、相次ぐメディア報道によってほぼすべての顧客と取引先が逃げ出してしまったという。
ケンブリッジ・アナリティカは同日、約束していた独自調査の結果を自社のWebサイトに公表した。そこで同社は、さまざまな疑惑について「事実による裏付け」はなかったと結論付けた。だが、会社の閉鎖を決めたことから、これ以上問題を長引かせたくないとの意図がうかがえる。