ボストン・ダイナミクスのロボット犬、油田のパトロールに初採用
ボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)の4脚ロボット「スポット(Spot)」が、実社会での任務の1つを初めて担当する。石油ガス会社アケルBP(Aker BP)は、ノルウェー海のスカルブ(Skarv)油田の警備にスポットを採用することを決めた。年内にも配備する。自律的な掘削装置の点検や、ガス漏れなどの問題に関するデータの取得、さらに調査が必要なものについてはレポートを生成する役目を担う。
陸上の遠隔オペレーターと接続し、人間にとって危険性が高い仕事を代行する能力についてもテストする予定だ。アケルBPの広報担当者は、「われわれはロボット工学を利用して、近い将来、より安全で低コスト、大気汚染物質排出の少ない事業運営が可能になると考えています」と述べた。
アケルBPは人工知能(AI)ソフトウェア会社のコグナイト(Cognite)とも契約し、スポットがどの作業に最も適しているかを検討してから実際に配備する。両社はすでに実験環境でスポットを試験中だ。
ボストン・ダイナミクスは2019年9月からスポットを企業向けに提供しており、ワイアードによると現在までに75社がスポットを利用中だという。米国自由人権協会(ACLU)の情報公開請求によって明らかになった文書によると、そのうちの1体はマサチューセッツ州警察の爆弾処理班で利用された。