ボストンダイナミクスの人型ロボ、ついにバク宙をマスター
この2年間でロボットに何が起きたのだろうか。遡ること2015年のDARPAチャレンジ(国防高等研究計画局が開催するロボット競技会)を見ていた人であれば、人型ロボットがどれだけ頻繁に転んでいたかを思い出すことができるだろう。
しかし、現在に目を向けてみると、そんな悪名高いロボットメーカーであったボストン・ダイナミクスが、2足歩行の人型ロボット「アトラス(Atlas)」に後方宙返りをさせた。この映像を見た私は、文字通り開いた口がふさがらないほどの衝撃を受けた。
アトラスは、雪の積もった斜面の走行や、岩場の道の通り方など、何年もかけて徐々にいろいろな歩き方を学んできた。そして、倒れるときにも必ず安全な倒れ方をするように教えられた。それでもまだ、ここに至るまでにはいい印象は持たれていなかった。今年はじめには、失敗して困惑するロボットの映像が興味本位にネットに広まった。「最も進化している人型ロボットから推測するに、もしSF映画のようなターミネーターが実際に現れたとしても、うまく棚を積み上げることさえできないだろう」と、当時のガーディアン紙は書いている。
そう、後方宙返りにしても、実際に自分で挑戦してみれば、人型ロボットが簡単にできるものではないことがわかるはずだ。特に着地が難しい。機敏さ、姿勢、平衡感覚が要求される。どれも、これまでの人型ロボットに欠けていたものだ。しかし、2年前にはこんなことができるのはまだ先の話に思えたが、ボストン・ダイナミクスはロボットがそのようなスキルを発揮できることを示してみせた。
このことは、将来ロボットに何ができるかを示している。例えば、高いスキルを持つ救助用ロボットの実現可能性が非常に高いものとなった。また、ガーディアン紙の引用を次のように置き換えることもできる。もしターミネーターが実際に現れたら、パルクールを教えてくれるだろう。
- 参照元: Boston Dynamics