給油も買い物もアプリで、アリババが仕掛けるガソスタの技術革新
ガソリンスタンドへ車で乗りつけ、車内の画面をタップして待ち、あとは走り去るだけでOK。そんな未来の燃料補給へ向けた動きが中国で進んでいる。
アリババ(Alibaba)と中国の大手自動車メーカー上海汽車(SAIC)の合弁会社「バンマ(Banma:斑馬)」は、今年、北京にスマート・ガソリンスタンドをオープンする。バンマはインターネット接続自動車の製造を手がける企業だ。
バンマ製の自動車がガソリンスタンドに入ると、ジオフェンシング(特定の位置にバーチャルな境界を設ける技術)で自動車を探知し、車載インフォテインメント(情報機器)の画面上でアプリが起動する。ドライバーはアプリでガソリンを選択し、アリペイ(Alipay)で料金を支払う。ガソリンスタンド内のコンビニにある商品を注文することも可能だ。従業員は注文に従ってガソリンを給油し、注文された商品を運ぶ。ドライバーはただ走り去ればいい。
中国のほとんどの巨大テック企業と同じく、アリババもまた人工知能(AI)の活用に大きな野望を抱いている。燃料補給のような現実世界での応用に取り組むことで、日常生活に関する貴重なデータを収集し、機械学習の進歩を促進するのが狙いだ。
だが、アリババのアイデアにそんなに感心する必要はない。どちらにしても、現在のガソリンスタンドが過去のものとなる日は近いのだから。