アップル次期iOS、緊急通報時に位置情報を自動送信へ
アイフォーン(iPhone)が自動的に人々の位置情報を、緊急コール・センターへ送信するようになる。
緊急通報は何十年も固定電話の使用者の位置は把握できていたが、携帯電話の位置を特定するのは固定電話よりはるかに難しく、緊急対応者の到着の遅れを招いていた。現在の推定位置は数百メートルの誤差になった。たった1分間対処時間が早くなれば、年間で最高1万人の命を救える可能性がある。
アップルはスタートアップ企業、ラピッドSOS(RapidSOS)と協力している。ラピッドSOSはスマートフォンから位置情報を直接緊急コール・センターのソフトウェアへ送るテクノロジーを開発している企業だ。今年後半のOSのアップデートで、すべてのアイフォーンにこのプログラムがインストールされる。このアップデートにより、緊急電話をかけるすべてのアイフォーン・ユーザーは即座に位置情報をコール・センターに送ることになる(日本版注:対象は米国のみ)。
グーグルも同様のソフトウェアを実験している。グーグルのテストでは位置情報の誤差の範囲が約37メートルまで狭められている。
アップルとラピッドSOSの協力関係は、いまだに固定電話時代に深く根を下ろした米国の救急対応システムをアップデートするのに役立つはずだ。機器メーカーが緊急対応システムに参入することは、システムが21世紀に対応する大きな一歩であり、その過程で命を救うことにもなるのだ。