スパコン世界ランキング、上位は中国が独走
世界の難題を打ち破りたいならば、東へ向かえばいい。新しく公表されたスーパー・コンピューターのランキングによれば、中国は世界最速のスーパー・コンピューター2台を保有するだけでなく、上位500台のうち202台を保有している。どの国よりも多い数字だ。一方で米国でもっと高速なスーパー・コンピューターは第5位にとどまった。米国は500台のうち144台を占めており、国別保有台数では第2位だ。
世界最速のスーパー・コンピュータは依然として、「神威・太湖之光(しんい・たいこのひかり:Sunway TaihuLight)」であり、中国の無錫市にある国立スーパー・コンピュータセンターに設置されている(上の写真)。1秒間に9京3000兆回の計算が可能で、第2位の「天河二号(Tianhe-2)」のおよそ3倍の速さだ。オークリッジ国立研究所にある米国エネルギー省の「タイタン(Taitan)」(第5位)は1秒間に1京7600兆回の計算が可能だから、太湖之光の5倍の計算時間がかかることになる。
中国は計算資源に関して他国を寄せつけず、ランクインしたコンピューターの計算能力の合計の35.4%を占める。一方で米国は29.6%にとどまっており、米国のスーパー・コンピューターの後退を痛烈かつ明確に強調する結果となった。実際、これほどまで米国の存在感が薄いのは、スーパー・コンピューター上位500のリストが25年前に公表されるようになってから初めてのことだ。
米国政府は今や中国に遅れをとっていることを痛感しており、米国エネルギー省のエクサスケール・コンピューティング計画では258万ドルの資金を投入し、太湖之光の10倍にあたる1秒間に100京回の処理が可能なシステムを2021年までに整備するとしている。しかし、中国は2020年までに同じ偉業を成し遂げるとしており、中国が米国のスーパー・コンピューター産業を一歩リードする情勢は続きそうだ。
- 参照元: Top 500