トランプ政権下でのパリ協定目標達成は困難、米調査会社
米国は、画期的なパリ協定の合意に基づく温室効果ガス排出削減の公約実現に大きく後れを取ったままである。
米調査会社ロジウム・グループ(Rhodium Group)は6月28日、米国は現行政策のもとで地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量を2025年までに、2005年比で12%から20%減らせるだろうとの分析結果を発表した。この値は、パリ協定で合意された26%から28%削減するとの目標を大きく下回る。
しかし、悪いことばかりではない。ロジウム・グループの報告書の見積もりによると、2020年から2030年までの総排出量は、同社が昨年推定した量を約1.96億トン下回る可能性がある。これは計画閉鎖する石炭火力発電所が増加することに加えて、天然ガス、再生可能エネルギー、電気自動車の価格下落に起因する。伸び悩む経済成長予測もまた一因である。
トランプ政権の数々の取り組みによって温室効果ガス排出削減の進捗が滞ると、バラク・オバマ大統領が尽力した多くの気候政策の功績が台無しになる恐れがある、と報告書は警告する。トランプ政権はとりわけ、発電所、自動車の連邦燃費基準、冷却機器などの製品に広く使われる温室効果ガスであるハイドロフルオロカーボン(HFC)の段階的廃止について、排出規制を後退させる方向に取り組んでいる。
パリ協定の目標が達成できないと、将来、深刻な事態になる。国連や他国が強調するように、パリ協定の目標削減量でさえも、地球温暖化の危険なレベルから脱するには十分でないからである。
- 参照元: Rhodium Group