OECDが「AI原則」を勧告、人権尊重し活用を
トランプ政権は米国と一部の国との間に壁を築いている真っ最中だが、こと人工知能(AI)の方向性を決めることにおいては同盟関係の構築に熱心だ。
民主主義と経済発展を推進する国際機関「経済協力開発機構(OECD)」は、5月22日にパリで開催されたOECDフォーラムにおいて、AIに関する一連の原則を発表した。
OECDに中国は加盟しておらず、この原則は、中国でのAIの運用、特に特定民族の顔認識と監視のためにAIを導入していることと対照的な内容となっている。
米国のマイケル・クラッツィオス技術政策担当大統領補佐官はこの会議で発言し、「OECDのAIに関する勧告が、米国のAIイニシアチブが取り組んでいる非常に多くの課題に対処していることをとても嬉しく思います」と述べている。
OECDのAI原則は次の通りだ。
- AIは、包括的な成長、持続可能な開発、幸福を推進することで、地球上の人々と地球に利益をもたらすべきである。
- AIシステムは、法の支配、人権、民主主義的価値観、多様性を尊重するように設計されるべきである。また、公明正大な社会を確実にするためにも、たとえば、必要に応じて人間が介入できるというような、適切な安全防護措置も含まれるべきである。
- 人々がAIに基づいて出された結果を理解し、異議申し立てができるように、透明性と責任ある情報開示がAIシステムと、とりまく環境に必要である。
- AIシステムは、そのライフサイクルを通じて堅牢でゆるぎなく、かつ安全な方法で機能する必要があり、潜在的なリスクは、継続的に評価および管理されるべきである。
- AIシステムを開発、導入、あるいは、運用している組織および個人は、上記の原則に沿って、AIシステムが適切に機能していることを示す説明責任を持つべきである。