アマゾンがクラウドベースの開発ツールを発表、アプリ業界に変革
アマゾンは、ソフトウェアの開発方法を根本から変えるかもしれないものをさりげなく発表した。
11月30日、ラスベガスで開催されたAWSカンファレンスで、アマゾンはクラウド・コンピューティングのプラットホームに直接接続できる統合開発環境(IDE)「アマゾン・クラウド・ナイン(Amazon Cloud 9)」のデモを披露した。
クラウドン・ナインの発表は大したことではないと思うかもしれないが、実際にはクラウド・ベースの機械学習がソフトウェア産業を席捲し、ひいては経済全体を塗り替えようとしている最新の兆しなのだ。アマゾンの新しいプラットホームを利用すれば、開発者はリアル・タイムで共同作業ができ、強力なクラウド・ベースの人工知能(AI)を活用して新しい世代のアプリやWebサービスを作り出せる。開発者はソフトウェアに対する新しい考え方を学ぶことになり、より知性を持って動作する日常的なソフトウェアの登場につながるがるはずだ。
クラウド・ベースのIDEへの移行は、ソフトウェアの世界にとって間違いなくこの数十年で最大の変化となる。簡単に利用できるオンデマンドの機械学習と、AIモデルの設計と学習を自動化するツールとを組み合わせることで、実際には経済全体の生産性に大きな影響を及ぼすだろうと主張する経済学者もいる。
こうした主張は、アマゾンやグーグルなどがクラウド・プラットホームにAIを追加し、できるだけ使いやすくするために死に物狂いになって争っていることから説明がつくだろう。この分野には優れたスタートアップ企業がいくつかある。たとえば、クラウド・ベースのバーチャル・マシンで深層学習を起動して実行できるサービスを提供しているペーパースペース(Paperspace)、カーネギーメロン大学のスピンアウト企業ペトゥーム(Petuum)である。
クラウド・プラットホームとAIをめぐる動きは、テック業界の大物たちによる大戦争の舞台を用意するだけではない。ブラウザーを立ち上げれば、必要なコードやデータ、大量の機械学習ツールが指一本ですぐに利用できるというのは、とても素晴らしいことだ。将来のプログラマーは、自分たちがいかに恵まれているか、分からないかもしれないが。
- 参照元: TechCrunch