米国で参入相次ぐ「宅配ロボ」、アマゾンも実験開始
電子商取引大手のアマゾンが、荷物を配達するための新たな機械の実地試験を実施している。「アマゾン・スカウト(Amazon Scout)」と呼ばれる機械を使った実験だ。
アマゾンは、ワシントン州スノホミッシュ郡のある地域で、車輪付きの小さな青いクーラーボックスのような見た目をした自社ロボットの試用を開始することを発表した。まずは6台のスカウトを使って、昼間にいくつかのルートで配達するという。人が歩く程度のスピードで移動するスカウトには、事故が起こらないよう、初めのうちは人間のスタッフが付き添う予定だ。
アマゾンはこれまで、コストを削減し、UPSやフェデックス(FeDex)などの配達業大手への依存を減らすため、独自の配達インフラを開発してきた。数々ある施策の中でも特に、アマゾン商品を配達する独自の地域サービスの立ち上げを起業家たちに促しており、配達ドローンを使った実験もしてきた。通りを進む今回のロボットは、アマゾンが家庭に商品を届ける際の「ラスト1マイル」を達成するための新たな方法となるかもしれない。
ロボット配達の障害となり得るものは多い。人間と違ってアマゾンのロボットは段差を上ったり、門を開けたりできない。また、宅配先が留守の場合、荷物を降ろすことができない。荷物を受け取るには暗証番号を入力する必要があるからだ。人口の多い都市では、混雑する通りをロボットがうろつくことはあまり良く思われない可能性もある。ロボット配達の歩道での実験に対し、サンフランシスコ市当局はすでに厳しい規制を設けている。
アマゾンのほかにも、ロボット配達に取り組んでいる企業は多い。スターシップ・テクノロジーズ(Starship Technologies)、ポストメイツ(Postmates)、ロビー・テクノロジー(Robby Technologies)など多くのスタートアップ企業が開発を進めている。たとえば、スターシップは最近、米国の大学の学生にコーヒーやピザを配達する自社ロボットの試験運用を開始した。