アルファベット、豪州で「ほぼ世界初」の商用ドローン配達を開始
オーストラリアのキャンベラ周辺の5つの地区のおよそ100世帯で、地元企業からドローンで食品や薬品を「お取り寄せ」できるサービスが始まった。
オーストラリアの規制当局である民間航空安全局(CASA)は、アルファベットのドローン部門のスピンオフ企業「ウイング(Wing)」によるドローン配達を承認した。ウイングはこれまで18カ月間に渡って、3000件の配達を試験的に実施。承認にあたってCASAは、ドローンが飛行できるのは特定の時間帯のみで、幹線道路の上は飛行できず、人とは安全な距離を保つ——といった条件を出している。ウイングによると、今回の地区での運営が順調に進めば、さらに多くの地区へと段階的にサービスを拡大していく予定だ。
ウイングは地元企業12社の製品を近隣に住む顧客に「ほんの数分で」配達するために、各社と提携を結んだ。オーストラリア放送協会(ABC)の報道によると、最初のうちは騒音に関する苦情が住民から多少届いていたものの、ウイングはその後、より静かなドローン・モデルを開発したという。ドローン配達サービスは2100万ドル〜2900万ドルの地元への経済効果があるとウイングは主張している。
オーストラリア当局はこのドローン配達が「世界初である可能性が非常に高い」としているが、おそらく世界初ではないだろう。米総合物流最大手のUPSが一足先に米国で世界初の商用ドローン配達サービスを開始したからだ。どうやらドローン配達市場は、アルファベット、アマゾン、そしてその他のほんの一握りのプレーヤーが激しい競争をしながら、ようやく軌道に乗り始めたようだ。