アリババが自律自動車を開発中、輸送事業参入へ
中国のハイテク大手のアリババ(Alibaba)は、自動運転の競争ではライバルのバイドゥ(Baidu)やテンセント(Tencent)に後れをとっている。だが、自律自動車の開発に向けて完全なエコシステムを作るつもりだとしている。
アリババは4 月16日、自動運転技術を自社開発し、テスト中であることを認めた。この取り組みはアリババの人工知能(AI)研究所の科学者であり、MITテクノロジーレビューの「2017版35歳未満のイノベーター35人」の1人に選ばれたガン・ワンの指導の下に進められている。
アリババが自動車産業に手を出したのは、実はこれが初めてではない。2018年の初めにアリババは、電気自動車を開発するスタートアップ企業、シャオパン・モータース(Xiaopeng Motors)に投資した。また、インターネットに接続した車や関連インフラを構築するために中国の自動車メーカー、SAICと業務提携を結んでいる。
アリババは単にロボット・タクシーを作るよりももっと大きな野心を持っている。2016年6月にアリババは、本社のある杭州に、AIを使った「シティ・ブレイン」システムを立ち上げた。このシステムは複数の地図アプリのデータを大量処理し、交通の効率を高めることを目的としたものだ。アリババ・クラウド(Alibaba Cloud)のサイモン・フー社長によると、アリババの最終的な目標は、そうしたデータを使って、都市インフラと完全に統合された輸送手段となる自律運転車を作り出すことだという。
中国は無人自動車の開発を加速し、一刻も早く米国に対する競争力をつけようとしている。今回のニュースは中国が本気であるという新たな信号である。