KADOKAWA Technology Review
×
2024年を代表する若きイノベーターたちに会える!【11/20】は東京・日本橋のIU35 Japan Summitへ

ニューズラインエマージング・テクノロジーの最新情報をお届け。

機械学習で脳波から学習、電気刺激で記憶能力を改善
Wellcome Images
AI-controlled brain implants help improve people’s memory

機械学習で脳波から学習、電気刺激で記憶能力を改善

機械学習ソフトウェアが人間の脳の記憶を呼び起こすために使われている。

電気的な刺激を与えて脳機能を改善しようとする試み自体は以前から実施されており、新しい考えではない。しかし、電気パルスをどのように送ればよいのかは、難しい問題だ。

ペンシルベニア大学の研究者は機械学習の手法を用いることで、この問題を解決しようとしている。まず、モニタリングのために最大200本の電極をすでに埋め込んでいるてんかん患者25人にいくつかの単語を記憶してもらい、記憶作業をしている間の脳の活動データを集めた。そのデータを訓練用データセットとして使い、記憶に関連する脳の活動についての各被験者ごとのモデルを人工知能(AI)に学習させた。

次に、同じ電極を用いて脳に刺激を与えた。研究者が被験者に記憶作業をしてもらったときのデータをAIに学習させたのは、記憶したことを忘れてしまったときに電気刺激を与えるためだ。その試みはうまくいった。AIからの電気刺激を受けた被験者は、単語を思い出す作業において、刺激を受けなかった場合に比べて15%よい成績を残した。

この実験は何の役に立つのだろうか。人類の脳に関する理解は未だに限られている。たとえ、私たちが記憶の仕組みについて正確には理解できないとしても、今回のアプローチは脳機能を改善するシステムを構築する際に助けとなるかもしれない。

ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe] 2018.02.08, 11:46
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューは有料会員制サイトです
有料会員になると、毎月150本以上更新されるオリジナル記事が読み放題!
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る