KADOKAWA Technology Review
×

ニューズラインエマージング・テクノロジーの最新情報をお届け。

マイクロソフト、遺伝子編集技術のCRISPR向けAIツールを開発
Kate Whitley | Wellcome Images
AI Can Warn Researchers Where CRISPR Might Make a Mistake

マイクロソフト、遺伝子編集技術のCRISPR向けAIツールを開発

マイクロソフトは、遺伝子編集ツール「クリスパー(CRISPR)」の作用の正確さを予測する人工知能(AI)ツールを開発した。研究者がクリスパーを使用してDNAに間違った編集をしてしまうのを避けられる。

クリスパーは、切断たんぱく質とガイドRNAという2つの構成要素を使ってDNAを編集する。ガイドRNAは切断したいゲノム部分を指示するもので、約20文字の長さを持つ。問題はゲノムの複数箇所に同じ並びの文字列があったときに起こる。修正を意図していない箇所をクリスパーが間違って切断してしまう可能性があるのだ。これは「オフターゲット」効果として知られている。

オフターゲット効果はクリスパーの安全性において最大の懸念となる。ゲノムの間違った個所を切断すると、たとえば、発がん遺伝子に変わってしまう可能性があるからだ。

そこでAIが役に立つ。今回のマイクロソフトのツールにより、研究者は修正したい遺伝子について、オフターゲット効果による悪い可能性がどのくらいあるかを見積もることができる。研究者はどの遺伝子が安全に編集するのが難しいかが分かるので、それらをいじらないようにできる、とマイクロソフト・リサーチのニコロ・フーシ博士は語る。

エミリー マリン [Emily Mullin] 2018.01.12, 6:55
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューは有料会員制サイトです
有料会員になると、毎月150本以上更新されるオリジナル記事が読み放題!
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る