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アリババとMSの人工知能、読解力テストで人間を凌ぐ
Annie Spratt | Unsplash
AI Beats Humans at a Reading Comprehension, But It Still Doesn’t Truly Comprehend Language

アリババとMSの人工知能、読解力テストで人間を凌ぐ

アリババ(Alibaba)とマイクロソフトが開発した 人工知能(AI)は読解力テストで人間よりも優れた結果を出した。だが、自然言語処理にはまだ難しい課題が残っている。

スタンフォード大学のクイズ(SQuAD=質問と回答のペアで構成されたデータセット)は、500件のウィキペディア(Wikipedia)の記事に基づき作られた、単語と文章の読解力をテストするものだ。たとえば、「第50回スーパーボウルのハーフ・タイム・ショーで、どのグループが主役だったか?」といった問題が出題される。

クイズの結果、人間のスコアは82.304点、アリババのAIは82.44点、マイクロソフトのAIは82.650点だった。

アリババのルオ・シー主任科学者によると、「雨が降る原因は何か」のような客観的な問題には、機械は高精度な回答を出せるようになったという。アリババは今後、この技術をカスタマー・サービスのような実践的なアプリケーションに使う予定だ。

とはいうものの、AIは人間が考えるような方法で理解しているわけではない。読み取った問題を本当に理解しているわけではないのだ。たとえば、先に挙げたスーパーボウルの問題であれば、AIは「英国のコールドプレイというロック・グループ」という問題の直接的な回答以外に、本当に何も知らない。それどころが、まだまだ機械が人間に劣る、もっと難しい言葉の問題も残っている。

ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe] 2018.01.16, 15:27
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本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

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