米資産運用会社、債権取引の自動化に最新ボット導入
バーチャル・アシスタント「アビー(Abbie)」の最新版は、価格やトレーディングの容易さ、リスクに基づいて債券の売買をアドバイスする。
資産管理会社アライアンス・バーンスタイン・ホールディング(AllianceBernstein Holding)が開発したアビーは、数百万件のデータ・ポイントを数秒でスキャンして将来性のある取引を見つけ、同社のポートフォリオ・マネジャーに提案する。ブルームバーグの報道によると、アビーは人間が見逃した銘柄や人為的な間違いを見つけ出し、他のボットとも通信できるという。初代アビーは2018年5月に利用が開始され、最初の3カ月間で約190億ドル相当の債券取引データを扱った。だが、初代アビーの能力は最新版よりもかるかに劣るもので、人間のトレーダーによる、より正確な指示が必要だった。
債権を取り引きする債券市場は、世界の金融市場における重要な要素の1つだ。アビーはすでに、アライアンス・バーンスタインの債券取引の60%以上を支えている。とはいえ、アビーの提案に基づきながらも、最終決定と取引執行は人間が引き続き行なう。
アビーは、人間よりもはるかに素早く膨大なデータをスキャンし、人間の意思決定のための情報を提供してくれる。債券市場におけるアビーの台頭は、企業の中で人工知能(AI)ソフトウェアの新たな役割が誕生する前触れだ。たとえば、機械学習を使った文書発見ツールは、かつて法律事務所のパラリーガルが担っていた手間がかかる業務の一部をすでに担っている。