発汗して「自己冷却」するロボット・ハンド、コーネル大が開発
たいていのロボットは金属とモーターでできているので、簡単にオーバーヒートし、動作停止を起こしやすい。そこでコーネル大学の研究チームは、人間と同じように発汗して自己冷却する柔らかいロボット・ハンドを開発した。
ロボット・ハンドはヒドロゲル製で、内部が空洞になっている3Dプリントの指3本で構成されている。それぞれの指は水で満たされ、細かな穴が開いた表面層に覆われている。温度が低い時には穴は閉じているが、30℃を超えると表面層が膨張し、穴が開いて水分を「発汗」し、ロボットを冷却する。サイエンス・ロボティクス誌に発表された論文で研究者らが述べたところによると、このロボット・ハンドの指は、人間の3倍の効率で発汗するという。
このアプローチにより、空調ユニットやファンでロボットを冷却できない環境で、より長い間ロボットを動作させられるようになるかもしれない。ただし、残念な点もある。現在のところ、水を補充する手段が存在しておらず、また、表面が濡れることで、物体を掴む能力が低下する可能性がある。加えて、このロボットは現時点ではまだ極めて基礎的なものだ。