無料のDNA検査が登場、個人情報と引き換えにIQ予測も
自分の健康状態や飲酒の習慣などの詳細を尋ねる質問に回答することと引き換えに、ゲノム・レポートを無料で提供する。そんなスタートアップ企業の取り組みをエクスコノミー誌が報じた。
ネビュラ・ゲノミクス(Nebula Genomics)は23アンドミー(23andMe)のような企業が実施する検査と同様に、ヒトゲノムの大雑把な地図を作成する計画を立てている。利用者は申し込み時に99ドルを支払う必要があるが、自身についての詳細にわたる質問に答えると、無料で検査を受ける権利が得られる。
ネビュラは顧客に関する個人情報を製薬会社に販売することを目的としている。カマル・オバッド共同創業者は、個人情報の販売は本人の許可を得た場合だけであり、調査に参加する分野は参加者が自分で選択できると話している。
何十万人という人間の健康やDNAの膨大なデータを蓄積することで、科学者は疾患の遺伝的因子を見定めようとしている。DNA検査を無料提供することによって、ネビュラは競争にいち早く参戦したいと考えているのだ。
「私たちはビジネスモデルを考え出しているところですが、おそらく遺伝学はこれから一気に飛躍していくでしょう。そこに私たちは賭けています」。
ネビュラが提供する予定の遺伝子図は「1倍ゲノム」と呼ばれる、かなり大雑把なものだ。これは何十億ものDNA文字が、平均して1回だけ読み出されることを意味する(より精度の高い「30倍」シーケンスになるとエラーを除去できる)。
したがってこれは健康状態の検査ではない、とオバッド共同創業者は話す。「健康状態や医学的な情報が欲しいなら、この検査は解決にはなりません」。
その代わりにネビュラはユーザーに対して先祖や運動能力、身長、目や髪の色などの特徴について教えてくれる。ちょうど23アンドミーやアンセストリー・ドットコム(Ancestry.com)といった企業が提供するものと同じものだ。
オバッド共同創業者によると、ネビュラは幸福度やリスクの傾向など、DNAから分かる性格的特徴についても報告するという。さらに、将来の学歴さえも予測できると主張している。少なくともこうした性格診断やIQ予測が意味するところは、控え目に言っても物議を醸すかもしれない。