「顔認識技術、事前の同意を」米議会で規制法案を審議へ
マイクロソフトは、2人の米上院議員が新たに提出した法案を支持している。新法案は、物議を醸している顔認識テクノロジーのテック企業による使用を制限するというものだ。
新たな「商用顔認識プライバシー保護法(The Commercial Facial Recognition Privacy Act )」では、商用顔認識テクノロジーを使用する企業が、消費者の同意なしに、消費者の識別や追跡のためにデータを収集したり共有したりすることを禁止することになるだろう。ブライアン・シャッツ上院議員およびロイ・ブラント上院議員の両名が提出したこの法案は、顔認識データを収集する際には消費者にその旨をはっきりと知らせ、第三者とデータを共有する際には消費者の同意を得ることを企業に要求している。この法案では、データの管理者と処理者を明確に定義している。欧州連合(EU)のデータ保護法と類似しているが、新法案は顔認識テクノロジーだけを対象としている。
マイクロソフトのブラッド・スミス社長は、「偏見や差別などの行為の防止、消費者のプライバシー保護、そして基本的な民主的自由を守るため」に、顔認識の規制が必要であることを訴え、議員らに協力すると約束した。顔認識の規制を推進するという大きな流れの中で、自社を規制支持者の立場へと据えるというマイクロソフトの賢いやり方だ。
法案ではまた、正確性や偏見に対処し、有害な使用を防ぐため、顔認識テクノロジーを配備する前に、第三者による検証や精査も要求している。だがしかし、政府がこのテクノロジーを利用するのは、現状の法案における規制の対象外となるはずだ。顔認識テクノロジーがより高度になり、人々の日常生活に浸透するようになるにつれて、顔認識テクノロジーを規制する要求がここ最近高まってきている。