KADOKAWA Technology Review
×
2024年を代表する若きイノベーターたちに会える!【11/20】は東京・日本橋のIU35 Japan Summitへ

ニューズラインエマージング・テクノロジーの最新情報をお届け。

NIST、超高速・超低消費電力の人工シナプスを開発
Stephen Magrath | Wellcome Images
A new artificial synapse is faster and more efficient than ones in your brain

NIST、超高速・超低消費電力の人工シナプスを開発

生物の構造を模倣した回路が、低消費電力の人工知能(AI)チップの製造に将来、貢献しそうだ。

米国国立標準技術研究所(NIST)の研究者が、磁気で制御する電気シナプスを開発した。人工の神経回路である。人間の脳にある神経回路と比べて数100万倍も高速に発火し、消費エネルギーは1000分の1。これまでに作られたどの人工シナプスよりも少ない。

複数の信号を収集し、必要に応じて電気パルスを発火する人工シナプスは、通常のプロセッサーにおけるトランジスターの代わりになるかもしれない。人工シナプスはニューロモーフィック・チップと呼ばれる、脳のように機能するデバイスを作り出せる。ニューロモーフィック・チップは現時点でAIを支えている人工ニューラル・ネットワークを、通常のチップよりも効率よく実行できる。今回の新しい人工シナプスによって、エネルギー効率をさらに高められることになる。

だが、新しい人工シナプスは、まだ大型のデバイスを作るためには使われていないので、実際に有用なチップが製造できるかどうかは定かではない。また、絶対零度に近い約-268℃の環境でしか動作できないので、実用的なコンピューティング・デバイスとして利用するにはまだ多くの課題が残っている。

ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe] 2018.01.30, 21:03
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューは有料会員制サイトです
有料会員になると、毎月150本以上更新されるオリジナル記事が読み放題!
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る