長寿と遺伝はほぼ無関係、大規模な家系研究で判明
過去数百年間の8600万人以上の人々の出生日と死亡日を比較した結果、遺伝の役割は考えられていたよりも小さいことが明らかになった。
100歳以上の長寿の人たちには、なにか秘密があるのだろうか。人々は何年も遺伝に基づく不老の泉を探し求めてきたが、そのほとんどが徒労に終わっている。その理由のいくらかを説明する新たな研究が、3月1日にサイエンス(Science)に掲載された。人々の寿命の違いのうち、遺伝子によるものは16%のみであることが分かったのだ。以前は約25%だと考えられていた。
ということは、寿命がわかる遺伝子検査はないのだろうか。保険会社が遺伝子検査を使って死期を予測するのではないかと心配している人たちもいる。「研究の結果、遺伝子検査はほとんど役に立たないことがわかりました」と、今回のプロジェクトを主導した遺伝子系図会社、マイヘリテージ(MyHeritage)のヤニフ・アーリッヒ主任研究員はいう。
今回の研究ではそのほかにも、時間の経過とともに、人々が血縁関係のある人と結婚することが少なくなっていることがわかった。南北アメリカ大陸の植民地化などによる移住と鉄道などの新しい移動手段は、人々がなぜ遠いいとこと結婚する可能性が低くなったのかを説明するのに役立つが、文化的な要因もまた一因となっている。