UCバークレー学内で出前ロボットが炎上、学生らが追悼
12月14日、カリフォルニア大学バークレー校のキャンパス内で出前ロボットの「キウイボット(KiwiBot)」が炎上した。ネット上には悲しみの声があふれ、学生らはキャンドルを灯してキウイボットを追悼した。
バークレー校内で食べ物を配達する100体の出前ロボットのうちの1体、キウイボットが突然発火した。メーカーは人的ミスが原因だと主張し、誰かが欠陥のある電池を装填したことで熱暴走が起きたと述べた(電池の熱暴走は、2016年のサムスンのスマートフォンGalaxy Note 7発火の原因にもなった)。メーカーは問題の再発を防ぐため、新たなソフトウェアでロボット内の電池をモニターすると約束した。
学生新聞によると、学生たちは「Overheard at UC Berkeley(カリフォルニア大学バークレー校で小耳に挟んだこと)」というフェイスブック・ページでキウイボットを追悼し、このロボットを「ヒーロー」であり「伝説的ロボット」と称えた。ロボットが煙を出す様子を写した動画の投稿後わずか1時間で、100件近くのコメントが寄せられた。中には黙とうを捧げるように求める学生や、キャンドルを灯す学生も現れた。
ばかげた話だと思うかもしれない(期末試験で精神的に参っている学生もいるだろう)。だがこの出来事も、人間がロボットに感情移入することを示す、よくある例の1つだ。ロボットの葬式をした人もいる。カナダのヒッチハイクロボット「ヒッチボット(hitchBOT)」がフィラデルフィアで破壊された際、心から怒りを表す声が相次いだ。昨年ロボットが噴水に転落した際、ロボットが「自殺した」と話題になった(実際は、でこぼこの表面をアルゴリズムが検知できなかっただけだった)。研究者がロボット犬を蹴る映像をグーグルが発表した際、批判の声が上がった。人はロボットに「苦痛を与える」のを嫌がり、ロボットが「苦しんで」いるのを見ると、人が苦しむのを見る時と同様に心が動かされることが、いくつかの研究で明らかになっている。