ビットコイン急反発の陰に価格操作の疑い、米大学が研究発表
ビットコインが2017年に急反発した背後に、価格操作の企てがあった可能性を示す研究が発表された。
テキサス大学の研究者がブロックチェーンのデータを分析した結果、「ビットコインが市場で下落した直後」、複数の取引プラットフォームから暗号トークンのテザー(Tether)との交換でビットコインの大口買いが出されていることを見い出した。テザーは、米ドルとの連動をうたっている暗号通貨だ。同研究チームは、複数の暗号通貨の価格は一体となって動く傾向があるため、このことが「ビットコイン価格の急騰」につながったと見ている。ニューヨーク・タイムズによると、複数の取引所がビットコインと他の主要暗号通貨の価格を買い支えていた可能性があるという。
昨秋ビットコイン価格が急騰した際、価格をつり上げるためにテザーが利用されている疑惑が浮上した(ちなみにテザーは、すべての暗号トークンが現実の米ドルに裏付けられているといっているが、証拠は一度も示していない)。リークされた文書により、世界的最大級の暗号通貨取引所の1つであるビットフィネックス(Bitfinex)の運営者も、テザー発行の背後にいたことが明らかになった。昨年12月には、米国の金融規制当局がビットフィネックスに召喚状を出している。
米司法省は先月、暗号通貨の価格操作に対する犯罪捜査を開始した。今回の研究結果は、その真っ只中に発表された。