フラッシュ2024年2月9日
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宇宙
生命発生に有利なCOに富む惑星大気の形成条件を解明=東工大など
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]東京工業大学と東京大学の共同研究チームは、生命発生に有利な惑星環境とされる、一酸化炭素(CO)に富んだ惑星大気が形成される条件を理論的に明らかにした。生命発生に有利な惑星環境がどういった条件で形成され得るかを定量的に示したことで、地球生命の起源の重要な手がりになると同時に、今後のバイオシグネチャー(生命の存在を示唆する諸量)探査計画にも貢献することが期待される。
研究チームは今回、太陽型星周りの地球型惑星を対象に、大気中炭素種(CO2、CO、CH4)の存在量を明らかにするための理論的研究により、CO大気の形成条件を解明した。具体的には、大気光化学に関する理論モデルを用いて、大気CO2濃度や火成活動の強弱、気候状態、中心星スペクトルについての系統的なシミュレーションを実施し、「CO暴走(大気化学反応だけでは一酸化炭素を消費しきれなくなり、大気中に一酸化炭素が蓄積する状態)」に至る条件を詳しく調べた。その結果、CO大気は若い太陽型星周りのハビタブルゾーンの外縁に位置する惑星で最も形成されやすいことが分かった。
一酸化炭素に富む大気(CO大気)は、生命の前駆物質となる有機化合物が形成されやすく、生命発生に有利とされる。実際に地球の初期大気では、CO暴走の状態が存在しうることが知られている。しかし、CO暴走状態がどのような条件で発生し、CO大気が形成されるのかこれまで不明だった。研究論文は、アストロフィジカル・ジャーナル(The Astrophysical Journal)に2024年1月10日付けで掲載された。
(中條)
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