フラッシュ2022年6月7日
-
九大、「ひきこもり」に特徴的な血液バイオマーカーを発見
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]九州大学の研究チームは、ひきこもり者の血液中の代謝物や脂質を測定し、ひきこもりを特徴付ける血液バイオマーカーを発見した。心理社会的な面で語られることが多かった「ひきこもり」の生物学的な因子が特定されたことで、栄養療法などの生物学的なアプローチを用いた支援に応用できる可能性があるという。
研究チームは、未服薬のひきこもり者42名と、健常ボランティア41名の臨床データ、血液データを比較・検証。その結果、ひきこもり者の血中では、健常者よりオルニチンと長鎖アシルカルニチンが高く、ビリルビンとアルギニンが低いことが分かった。さらに、男性のひきこもり者は、血清アルギナーゼが有意に高いことも分かった。
また、血液成分と臨床検査値を加えた情報に基づいた機械学習判別モデル(ランダムフォレストモデル)を作成し、ひきこもり者と健常者を高い精度で識別することにも成功した。
研究成果は6月1日、「ダイアログス・イン・クリニカル・ニューロサイエンス(Dialogues in Clinical Neuroscience)」誌に掲載された。
(笹田)
-
- 人気の記事ランキング
-
- These AI Minecraft characters did weirdly human stuff all on their own マイクラ内に「AI文明」、 1000体のエージェントが 仕事、宗教、税制まで作った
- Promotion MITTR Emerging Technology Nite #31 MITTR主催「再考ゲーミフィケーション」開催のご案内
- The startup trying to turn the web into a database Webをデータベースに変える、新発想のLLM検索エンジン
- 3 things that didn’t make the 10 Breakthrough Technologies of 2025 list 2025年版「世界を変える10大技術」から漏れた候補3つ
- OpenAI’s new defense contract completes its military pivot オープンAIが防衛進出、「軍事利用禁止」から一転