フラッシュ2022年4月20日
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現場で臨機応変に対応できる深層学習ロボ技術=早稲田大
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]早稲田大学と日立製作所の研究チームは、ロボットの過去の学習内容と現実との差を認識し、次の行動をリアルタイムに決定・実行可能な「深層予測学習」型のロボット制御技術を開発した。未学習の作業内容や環境に対しても、ロボットが次の作業を柔軟に実行できるという。
研究チームは、生体が実世界と脳の予測誤差が最小となるように振る舞うことを説明する「自由エネルギー原理」を参考して、現場の状況とモデルの予測誤差を最小化する深層予測学習アルゴリズムを考案。ロボットが視覚運動情報に基づいて近未来の状況を予測し、現実との誤差を最小とするように次の動作を決定できるようにした。さらに、状況に応じて、複数の予測モデルから最適なものをリアルタイムに切り替えることで、急な作業内容や環境の変化にも柔軟に対応可能にした。
従来の機械学習では、ロボットが多様な作業に適用できるように、大規模なデータを用い最適な予測モデルを構築する方式が主に用いられてきた。しかし、実際にはロボットは想定外の事象に遭遇するため、事前に全ての状況に対応できる予測モデルを構築することは困難だった。
研究成果は国際学術誌のサイエンス・ロボティクス(Science Robotics)に4月6日付で掲載された。今後は、状況が変わりやすくロボットの導入が困難であった作業現場に同技術の適用を図ることにより、ロボットの適用範囲を拡大していくという。
(中條)
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