フラッシュ2022年3月28日
-
東北大が半導体の材料探索に機械学習、相変化メモリの設計で
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]東北大学の研究チームは、省電力な相変化メモリ(PCRAM)の材料を高速に探索する手法を開発した。相変化メモリはデータの書き込み速度が速く、動作メカニズムが単純で制御しやすい特徴があるが、消費電力が課題だった。
相変化材料の物性には、熱伝導率、電気伝導率など9種のパラメーターがあるが、網羅的な数値シミュレーションで最適な材料を探索するには莫大な計算時間がかかる。研究チームは、求根アルゴリズムとベイズ最適化を併用した機械学習を応用することで、多数のパラメーターを一括探索し、相変化メモリの消費電力を大幅に下げる上で重要になる物性を特定。この結果、新たな相変化材料の設計指針が明確になった。この指針によれば、現実的に達成しうる物性範囲で、消費電力を100分の1以下にできる可能性があるという。
研究成果は3月18日、「マテリアルズ・アンド・デザイン(Materials & Design)」誌にオンライン掲載された。
(笹田)
-
- 人気の記事ランキング
-
- AI reasoning models can cheat to win chess games 最新AIモデル、勝つためなら手段選ばず チェス対局で明らかに
- Promotion Innovators Under 35 Japan × CROSS U 好評につき第2弾!研究者のキャリアを考える無料イベント【3/14】
- Your boss is watching 機械化する人間たち—— 「見えない目」が変える 職場の風景
- OpenAI just released GPT-4.5 and says it is its biggest and best chat model yet 限界説に挑むオープンAI、最後の非推論モデル「GPT-4.5」
- One option for electric vehicle fires? Let them burn. EV電池火災、どう対応?「燃え尽きるまで待つしかない」と専門家