- MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.8 脱炭素イノベーション
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新たな成長産業「脱炭素」「気候テック」イノベーションの最前線を追う2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、日本でもGX(グリーン・トランスフォーメーション)戦略が立ち上がり、脱炭素技術の研究開発や事業化の動きが加速している。本特集号では、先行する世界の脱炭素イノベーションの最新動向を1冊に集約。次世代太陽光電池、プラスチックのリサイクル、地熱発電、グリーンスチールなど、注目のスタートアップ企業を一挙紹介するほか、岐路に立つ日本の自動車メーカーの脱炭素戦略、再エネの普及やウクライナ情勢で複雑化するエネルギー問題についても取り上げる。企業に新たな利益を生み出す脱炭素ビジネスの「今」が見える1冊。
128ページ | 2022/09/13 発売 2420円(税込) -
- 目次
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<日本版オリジナル>
・特別気候「脱炭素で日本の自動車産業は生き残れるか?」(ジャーナリスト・川端由美)
・京大発ベンチャー「京都フュージョニアリング」が描く核融合の未来
・提言 複雑化するエネルギー問題、日本が歩むべき最適解(エネルギーアナリスト・大場紀章)<グローバル・レポート>
・米政権幹部に聞く「二酸化炭素貯留」推進の狙い
・「鉱山のゴミ」でCO2回収 アスベストは地球を救うか
・コスト激減でクリーンエネの主役になった太陽光発電はまだ安くなるか
・BMWも投資する夢の「電気燃料」ベンチャー化石燃料並みは実現するか
・シャーリー・アン・ジャクソン博士が語るイノベーション論■日本人が知らない世界の「気候テック」ベンチャー
・ペットボトルを酵素でリサイクルする「カルビオ」
・忘れられた再エネ「地熱」に賭ける「フェルボ」
・炭素除去に投資するVC「ローワーカーボンキャピタル」
・バイオ油を使わず埋める「チャーム・インダストリアル」
ほか
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掲載記事
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More innovation is needed to mitigate climate change
IPCC報告書執筆者に聞く
気候変動で高まる
イノベーションの必然性 - 人間活動による地球温暖化は「疑う余地がない」。2021年8月、国連の専門家組織は、初めてそう断言した。この報告書のうち、産業分野の取り組みについての執筆を担当したのが、科学者の田中加奈子氏だ。「この10年のイノベーションがカギ」とと話す田中氏に、気候変動の緩和におけるイノベーションの必要性や産業分野の取り組みについて産業界が持つべき視点について尋ねた。
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More innovation is needed to mitigate climate change
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Carbon neutrality issue has now arrived
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.8刊行に寄せて - MITテクノロジーレビュー[日本版]は印刷版マガジン『Vol.8 脱炭素イノベーション』を9月13日に発売した。今号の狙いと主な内容を紹介する。
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Carbon neutrality issue has now arrived
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What decarbonization strategy should Japanese automotive manufacturers adopt?
脱炭素で後れを取る日本車メーカーはどこに向かうべきか? - カーボンニュートラルに向けて欧米の自動車業界がドラスティックな動きを見せている。これに対して、日本の自動車メーカー各社は好調な業績を収めつつも脱炭素化は遅々として進んでいない。欧米の動きを見ていくと、その進むべき道が見えてくる。
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What decarbonization strategy should Japanese automotive manufacturers adopt?
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Kyoto University startup pioneers the era of fusion power generation
京大スタートアップが拓く、核融合発電の時代 - 究極のエネルギーと言われ、長年にわたって研究されてきた核融合発電。この実用化に向けて関連技術の開発に取り組むのが、京都大学発のスタートアップ企業、京都フュージョニリングだ。同社のビジネスモデルと展望について、長尾昂CEOに聞いた。
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Kyoto University startup pioneers the era of fusion power generation
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Inside Charm Industrial's big bet on corn stalks for carbon removal
バイオ油を使わず埋める
米スタートアップの
意外な炭素除去ビジネス - 新興企業のチャーム・インダストリアルは、収穫を終えたトウモロコシの葉や茎からバイオ燃料油を作り、地下に埋めることで、これまでに数千トン相当の二酸化炭素を隔離したという。大胆なアプローチだが、信頼性、スケーラビリティ、採算性がどの程度になるのか、現時点では明確になっていない。
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Inside Charm Industrial's big bet on corn stalks for carbon removal
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Asbestos could be a powerful weapon against climate change (you read that right)
「鉱山のゴミ」でCO2回収
アスベストは地球を救うか - 鉱山の採鉱廃棄物である選鉱くずを使用して大気中から二酸化炭素を除去する方法について研究する科学者が増えつつある。こうした物質が二酸化炭素と結合する際の化学反応の速度はゆっくりしているため、いかにして反応を加速させるかが第一の課題となる。
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Asbestos could be a powerful weapon against climate change (you read that right)
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This fuel plant will use agricultural waste to combat climate change
農家のごみを宝の山に、
BECCSの事業化に挑む
米スタートアップ - 米ローレンス・リバモア国立研究所の科学者たちが立ち上げたスタートアップ企業が、カリフォルニア州に新しい燃料製造プラントを計画している。農業廃棄物の山から水素を作り出して、二酸化炭素を地中に貯留する施設は商業的に成立するか。
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This fuel plant will use agricultural waste to combat climate change
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Why capturing carbon is an essential part of Biden's climate plans
バイデン政権が本腰、
「二酸化炭素貯留」の狙い
幹部に聞く - 米国のバイデン政権が取り組む気候変動への取り組みの一つの柱となるのが、「二酸化炭素の回収・貯蔵(CCS)」だ。環境問題の活動家からは反対意見も根強いが、二酸化炭素排出量削減が困難な業界には必要なものだという。化石エネルギー・炭素管理局の幹部に狙いを聞いた。
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Why capturing carbon is an essential part of Biden's climate plans
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True innovation requires big tech, academia and government to work together
「初づくし」のキャリア歩んだジャクソン博士のイノベーション論 - 著名な物理学者であるシャーリー・アン・ジャクソン博士(レンセラー工科大学学長)は、MITで博士号を取得した最初のアフリカ系米国人女性だ。重要な公職を歴任してきた同博士は、「本当に大きな問題に取り組むためには、政府が学術界と産業界を動かすエンジンの役割を果たす必要がある」と主張する。
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True innovation requires big tech, academia and government to work together
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What it will take to unleash the potential of geothermal power
忘れられた再エネ「地熱」、米インフラ投資で汚名返上なるか? - 米国のインフラ法案により資金提供を受けた4基の新しい実証プラントは、「忘れられた再生可能エネルギー」と揶揄されている地熱による発電の普及を後押しする可能性がある。
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What it will take to unleash the potential of geothermal power
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A climate-focused venture firm plans to invest $350 million into carbon removal startups
スタートアップ投資ファンドも登場、「炭素除去」産業勃興の兆し - 「二酸化炭素の除去」を手掛けるスタートアップ企業に特化した投資ファンドが米国で立ち上がった。同分野にはマイクロソフトやアルファベットなども資金を投じており、新分野への関心が急速に高まっていることを示している。
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A climate-focused venture firm plans to invest $350 million into carbon removal startups
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These plastic batteries could help store renewable energy on the grid
MIT発のプラスチック電池ベンチャーが製品投入、送電網向けに照準 - MIT教授らが創業した蓄電池スタートアップ企業「ポリジュール(PolyJoule)」が第一弾の製品を発表した。比較的安価に製造でき、安全性に優れているといい、送電網用蓄電池としての普及を目指す。
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These plastic batteries could help store renewable energy on the grid
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Can the most exciting new solar material live up to its hype?
ペロブスカイト太陽光電池、実用化へ数社が名乗り - シリコン太陽電池より安価で高効率な太陽電池を作れると期待されているペロブスカイトは、不安定であることが実用化の課題となっている。しかし最近になり、その課題を解決したとする企業がいくつか現れている。
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Can the most exciting new solar material live up to its hype?
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How green steel made with electricity could clean up a dirty industry
電気で作る「きれいな鉄」、ボストン・メタルは鉄鋼産業を変えるか - 溶融酸化物電気分解と呼ばれる方法で二酸化炭素を排出しない鉄の生産に取り組んでいるのが、新興企業ボストン・メタルだ。同社の新型パイロット・プラントは、排出量削減が進まない鉄鋼産業を変える第一歩となるのだろうか。
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How green steel made with electricity could clean up a dirty industry
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Decarbonization is Japan's last chance to raise its power
大場紀章「脱炭素化は日本の力を底上げする最後のチャンス」 - 節電要請、電力自由化、老朽火力発電所や原発停止、急速な再生可能エネルギーへのシフト、ロシアのウクライナ侵攻など複合的な要因が絡み合い、エネルギー問題は理解しづらいものになっている。もともと日本は資源に乏しく、さらに「脱炭素」という足枷がはめられている以上、今後も不確実性はつきまとう。こうした状況をどう読み解き、国や企業は短期・中長期的にどう動いていくべきか。エネルギー・アナリストでポスト石油戦略研究所代表を務める大場紀章氏の提言をまとめた。
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Decarbonization is Japan's last chance to raise its power
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「スポンジ都市」の発明で
洪水と仲良くなった建築家 - 気候変動の議論から取り残された人たちの「声なき声」を聞く
- 「気候変動移住」が引き起こす貧困の連鎖、ジンバブエ現地ルポ
- 太陽光発電、コスト激減でクリーンエネの主役に まだ安くなる?
- 消えた幻想「シェールガス革命」とは何だったのか?
- 写真家と科学者が協働:写真で見る、気候変動の凄まじさ
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BMWも投資する
夢の「電気燃料」ベンチャー
化石燃料並みは実現するか? - ペットボトルを酵素でリサイクル、仏スタートアップが実証施設
- バイオ燃料で製鉄業界の排出量を削減、障壁は?
- 太陽光パネルのゴミ問題、「リサイクル」スタートアップに脚光
- 鉱物でCO2を除去するスタートアップが資金調達 買い手も決まる
- 「危険すぎて使えない」太陽地球工学をハーバードはなぜ研究するのか
- エネルギー密度2倍へ、EV用全固体電池ベンチャーがパイロット生産