
Awais Ahmed アワイス・アーメド (25)
従来の観測衛星の最大10倍の情報量を提供するハイパースペクトル衛星を打ち上げ。「地球の健康監視システム」を構築している。
1950年代以来、人工衛星は、地表に反射する光波を捉えることで、気象パターンや農作物、地政学的競合を監視してきた。だが、衛星画像は、雲の量や光の常態、距離が障害となって、一貫性に欠け、不鮮明である。現在宇宙にある衛星のほとんどは可視スペクトルの光と、おそらく赤外スペクトルのごく限られた波長の光しか捉えていない。
2021年、アワイス・アーメド(25)が創業し最高経営責任者(CEO)を務めている「ピクセル・スペース・テクノロジーズ(Pixxel Space Technologies)」は、デモ用ハイパースペクトル衛星を、商業および公共利用のために軌道上に初めて打ち上げた。この衛星は、可視・赤外スペクトルにおける150種以上の波長の光を捉えて、衛星画像を撮影できる。分子は種類ごとに、分光シグネチャと呼ばれる異なる波長の光を反射する。そのため、ピクセルの衛星は、より幅広い波長の光の束を捉えることで、地表に関する情報を既存の衛星と比べ最大10倍の情報量を提供できる、とアーメドCEOは言う。例えば、農作物の健康状態を知ることができたり、あるいは、収集した雪冠の分子情報から気候変動に関する重要な知見を明らかにしたりすることも可能だ。
2022年にピクセルは、さらにハイパースペクトル衛星2基を打ち上げ、現在、ハイパースペクトル・データを利用した「地球の健康監視システム」の構築に取り組んでいる。ピクセルの現在の顧客には、土壌や生物多様性の変化を追跡するためにハイパースペクトル・データを利用している農業・鉱業企業などがある。アーメドCEOは、ピクセルの一部データをオープンソース化し、一部の気候研究機関に無償提供する予定だ。
(テイト・ライアン・モズリー)
- 人気の記事ランキング
-
- AI crawler wars threaten to make the web more closed for everyone 失われるWebの多様性——AIクローラー戦争が始まった
- Promotion Innovators Under 35 Japan × CROSS U 好評につき第2弾!研究者のキャリアを考える無料イベント【3/14】
- From COBOL to chaos: Elon Musk, DOGE, and the Evil Housekeeper Problem 米「DOGE暴走」、政府システムの脆弱性浮き彫りに
- What a major battery fire means for the future of energy storage 米大規模バッテリー火災、高まる安全性への懸念
- A new Microsoft chip could lead to more stable quantum computers マイクロソフト、初の「トポロジカル量子チップ」 安定性に強み