建物の冷暖房は、世界のエネルギー消費において大きな割合を占めている。冷暖房に消費されるエネルギー使用量と、関連する排出量を減らすため、カイチェン・ドン(32歳)はどのような屋根にも設置できる「スマート」塗料を開発した。鍵となる材料は二酸化バナジウムで、暑い日には住宅にこもった熱を放出し、寒い日には断熱するように自動的に切り替わる。この塗料が最も威力を発揮するのは、夏と冬や、昼と夜の気温差が大きく変化する地域だが、完全に冷暖房システムの代わになることを意図したものではない。むしろ、建物の温度を管理しやすい範囲内に保つことで、冷暖房システムの需要を減らそうというものだ。