デジタル写真にデジタルフィルターをかければ、見た目を変えるのは簡単だ。この原理を実際のモノに応用すると考えてみよう。例えば毎日、あるいは1時間ごとに見た目が変わる服だ。マサチューセッツ工科大学(MIT)のステファニー・ミュラー准教授(34)は、各色のチャンネルを細かく制御したフォトクロミック染料を用いて、モノの見た目をプログラムし直す方法を開発している。「この手法の開発には、光学や材料化学、ハードウェア工学、計算最適化アルゴリズムといった知識が必要でした」とミュラー准教授は言う。このイノベーションはプロダクト・デザインに使えるかもしれない、と同准教授は考えている。単にシャツ1枚を買うのではなく、そのシャツの見え方が毎日更新されるサブスクリプションを買うようになるかもしれないと言う。