プリヤ・ドンティは、気候変動のような複雑で広範な問題はひとつの学問分野だけでは解決できないことを理解している。そこで、学界と業界の専門家を集めて、機械学習が気候変動問題の解決にどのように役立つかを実証する学際的な組織「クライメート・チェンジAI(Climate Change AI:CCAI)」を共同設立した。
ドンティはコンピューター科学、工学、公共政策を組み合わせた研究をしており、送電網が再生可能エネルギーをより確実に統合する方法を重点的に研究している。2019年には筆頭著者として、「機械学習による気候変動への取り組み(原題:Tackling Climate Change with Machine Learning)」と題した影響力のある論文も発表した。
「この論文には大きな反響が寄せられました。気候変動問題に取り組む道徳的責任を感じながらも、そのために必要なコミュニティが不足していると感じている人がいかに多いかを示しています」とドンティは言う。
インド系2世の米国人であるドンティは、地球上で最も弱い立場にある人々がすでに多大な負担を感じていることをよく理解しており、気候変動により負担がさらに悪化するであろうことを認識していると言う。「世界で最も不利な立場に置かれている人々が、気候変動の影響を不当に受けることになるのはわかっています。CCAIはその影響の軽減に役立ちたいのです」。
( Kathryn Miles)