
レイチェル・ハウルウィッツはあっという間に、研究室の歯車から熱狂の中心にある最高経営責任者 (CEO) に登りつめた。その理由は、画期的なゲノム編集技術である「クリスパー(CRISPR)」にある。2012年、彼女はカリフォルニア大学バークレー校のジェニファー・ダウドナ研究所で、クリスパーを使ったDNA鎖を編集する画期的な手法を披露していた。
その数週間後、ハウルウィッツは、携帯の電波も届かず、デスクもない地下室から、サンフランシスコ湾を望む最上階にオフィスを移した。ハウルウィッツはクリスパーの特許を取得し、製薬会社、調査会社、そしてデュポンのような農業関連大手企業との取引する、カリブー・バイオサイエンシズ(Caribou Biosciences)のCEOに就任した。カリブー・バイオサイエンシズは、ジェニファー・ダウドナ研究所からスピンアウトしてつくられた。ハウルウィッツは現在、ゲノム編集のコアテクノロジーの改善を行う44人のスタッフを抱えている。最近の開発の1つに、クリスパーが間違いを犯したときに役立つ「SITE-Seq」というツールがある。
(アントニオ・レガラド)
- 人気の記事ランキング
-
- AI companions are the final stage of digital addiction, and lawmakers are taking aim SNS超える中毒性、「AIコンパニオン」に安全対策求める声
- Promotion MITTR Emerging Technology Nite #32 Plus 中国AIをテーマに、MITTR「生成AI革命4」開催のご案内
- Anthropic can now track the bizarre inner workings of a large language model 大規模言語モデルは内部で 何をやっているのか? 覗いて分かった奇妙な回路
- This Texas chemical plant could get its own nuclear reactors 化学工場に小型原子炉、ダウ・ケミカルらが初の敷地内設置を申請
- Tariffs are bad news for batteries トランプ関税で米電池産業に大打撃、主要部品の大半は中国製
タグ | |
---|---|
クレジット | Image courtesy of Caribou Bioworks |
著者 | MIT Technology Review編集部 [MIT Technology Review Editors] |