8万5000人以上のアメリカ人が人工心臓弁を取り付けられている。しかし、人工心臓弁は永久にはもたない。そのため、いずれ弁を取り替える必要が出てくるが、それには高価で侵襲的な手術を伴う。さらに子供の場合、この手術を複数回繰り返さなければなならい。
ドイツのシュトゥットガルトにあるフラウンホーファー研究所(Fraunhofer Institute)のグループリーダーであるスヴェンヤ・ヒンダラーは、生物分解性の心臓弁を創り出している。ヒンダラーの研究によると、この心臓弁は時間がたつにつれ、患者自身の細胞で置き換えられていくことを強く示唆している。
生物分解性の心臓弁を完成させるためにヒンダラーは、生物分解性の繊維でつくられた足場を創り出した。この繊維は健康な組織のような弾力性をもち、そこに血液の中を巡回している幹細胞を引き寄せる働きをもつタンパク質を付着させる。この心臓弁は、移植されるとすぐに定着し、その後、2〜3年のうちに患者自身の細胞によって置き換えられるという。
(ラス・ジャスカリアン)
- 人気の記事ランキング
-
- What’s on the table at this year’s UN climate conference トランプ再選ショック、開幕したCOP29の議論の行方は?
- Why AI could eat quantum computing’s lunch AIの急速な進歩は 量子コンピューターを 不要にするか
- Google DeepMind has a new way to look inside an AI’s “mind” AIの「頭の中」で何が起きているのか? ディープマインドが新ツール
- This AI-generated Minecraft may represent the future of real-time video generation AIがリアルタイムで作り出す、驚きのマイクラ風生成動画