自律運転やAI(人工知能)の心臓部で使われるような複雑なマイクロプロセッサーは、過熱して停止することがある。停止したマイクロプロセッサーの内部では通常、ナノメートルスケールの構成部品に障害が発生している。しかし、数十年にもわたって、チップの設計者の誰一人として、このような微小な部品の温度を測定する方法を見つけ出せなかった。
スイスのIBMチューリッヒ研究所の研究員であるファビアン・メンゲス博士は、熱抵抗の変化と熱が表面を伝わる際の変動率を測定する走査プローブ法を発明し、 10ナノメートル以下の小さな構造体の温度を測れるようにした。この発明は、チップ・メーカーが優れた放熱性能を持つマイクロプロセッサーを設計するのに役立つだろう。
(ルス・ユスカリャン)