コンピューターは私たちに、自分が最高の状態でいられる方法を教えられるだろうか? ロチェスター大学のエーサン・ホーク研究員は、そうできると信じている。ホーク研究員は社交的になるべき場面で社交的に振る舞えるようになるふたつのコンピューター・システムを開発したのだ。
一方のプログラムでは、バーチャルなビジネスウーマンが、被験者の表情と言葉を認識し、うなずいたり笑ったりして、被験者が彼女とおしゃべりするとき、被験者がいろいろ質問するよう仕向ける。会話の終わりに彼女は被験者のボディランゲージやイントネーション、アイコンタクトを含む人間同士のパフォーマンスについてフィードバックする。
ホーク研究員はさらに、インターネット接続があれば誰でも無料で使えるモバイル用の軽量版も開発した。アニメーション化されたキャラクターはいないが、代わりに映像を記録し、被験者の会話の速度や、声の高低、大きさ、笑顔の度合、特定の言葉を過度に使っていないか、など、被験者の社交スキルを評価して教えてくれる。
ホーク研究員の研究の発端は、ダウン症でティーンエイジャーの自身の弟にある。ホーク研究員は弟の第一の介護者であり、どんな社交的なやりとりでも、弟にとってはどれほど難しいか(特に学校で)を見てきた。しかしホーク研究員は自分のツールが、社交的コミュニケーションに悩むあらゆるタイプの人々(アスペルガー症候群やカスタマーサービス担当者、クラスでの発表を控えた神経質な学生、デートや面接に向けて準備中の人など)に役立ちたいと願っている。
(ジュリア・スクラ)
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著者 | MIT Technology Review編集部 [MIT Technology Review Editors] |