課題
「多くの病気や薬について、男女間では経験に大きな差があります。この問題が解決されるまでは、女性は限られた効果しかないかもしれない治療法で我慢するしかないのです」とドット・ラボラトリーズ創業者のヘザー・ボワーマンCEOはいう。
たとえば、動脈内でのホルモンによる血小板形成は男女間で差がある。にもかかわらず循環器疾患の治療薬は男性に偏って試験され、その結果、女性よりも男性の死亡率が急速に改善している。詳細なホルモンのデータがあれば、医師は薬剤や治療計画を調整し、女性に対する効果を上げられるはずだ。
ソリューション
ドット・ラボラトリーズは、女性の性ホルモンのレベルをテストし、オンラインで追跡できる安価で簡単な方法を開発しているスタートアップ企業だ。患者は特定の時間に唾液を採取した試験管をドット・ラボラトリーズに郵送する。ドット・ラボラトリーズはホルモンレベルのデータをアプリに送り、本人や担当医に確認してもらう。今はまだベータ版の段階だが、2017年中には手法の有効性に関するデータを公表し、診断可能な製品を発売する予定である。
ホルモンの変化を考慮に入れた薬剤を開発するには時間がかかる。それでも、ライフサイエンス企業に投資しているアヌラ・ジャヤスリヤ医師は、このようなテストが「基礎研究や臨床医療における性の偏りが解消される」のに役立つだろうという。
(デビッド・タルボット)