「リブラは実現しない可能性がある」 フェイスブック認める
フェイスブックは、来年の立ち上げを目指すデジタル通貨「リブラ(Libra)」が実現しない可能性があると投資家に警告した。
フェイスブックは四半期報告書の中で、投資家に対し、同社が提案しているリブラ通貨は「新しい、実証されていないテクノロジーに基づいている」ことを伝え、同デジタル通貨を取り巻く法的環境は「変化しており、不確定要素がある」と付言した。そのため、リブラの提供が延期、さらには中止される可能性があるという。
1カ月半前にリブラ計画を発表して以来、フェイスブックは政府銀行や政治家からの疑念や反発に直面してきた。これまでの同社のプライバシーの問題や、民間通貨を数十億人に提供する計画はリスクを伴うとの指摘だ。
マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は四半期決算において、楽観的な口調で、「どれだけ時間がかかっても」リブラを立ち上げる前に規制当局の承認を得るため尽力していくと断言した。
同社の広報担当者は、リブラを取り巻く規制の不確定性と同プロジェクトが厳しく精査されることは想定内であるとして、米国のニュース専門放送局のCNBCに次のように述べた。「規制当局、政治家および専門家と議論を交わすことは、リブラの成功に欠かせません。当社がリブラの計画を、早い段階でリブラ協会の他のメンバーと共有したのはそのためです」。